患者さんと院長との面談を始めています。治療や体調管理のこと・検査結果の見方でわからないこと・不安や不満など、普段オープンフロアではなかなか詳細にお話しできないことも診察室でゆっくりお訊ねいただけますので、よろしければぜひお申し込みください。回診時医師またはスタッフにお声をおかけください。ご家族様ご一緒にお会いすることもできます。
さて先月水の話をしましたが、長期透析においては骨や関節に慢性的な痛み・シビレ・機能不全などを起こす透析アミロイドーシスや副甲状腺機能亢進症といった合併症が心配されます。アミロイドーシスは、β2ミクログロブリンが関節に溜まって手根管症候群・骨折・脊柱管狭窄・バネ指などを起こすもので、発症するとステロイドを含むこともある薬や手術・透析中の特殊な吸着療法の併用などで対応しますがなかなか根治は難しいものです。濾過透析や新型ダイアライザーでの透析によって生体刺激を減らし除去量を上げて、予防に努めることも効果があると期待されます。副甲状腺機能亢進症では骨折・関節の変形・心筋梗塞・脳梗塞・足の壊疽などが起こります。これら合併症はすぐには症状が出ず、年単位で起こってきます。これらの対策として今私たち、すなわち患者さん方と医療機関とでできることは、きれいな水でなるべく十分な量の透析を行うこと・十分にリン・カルシウム・PTHの管理を行って病気の進展を起こさないように気をつけていくことです。
はじめのきれいな水の評価方法について前回お話をし、十分な量の透析という点は前々回お話ししました。少し補足して復習しますと、毎月個別にお配りしている効率結果でRR・Kt/Vといた尿素除去率をご覧いただいています。最低でもRR65%以上、Kt/V1.3以上は必要です(当方では現在多くの方が70%以上、1.45以上です)。しかし、アミロイドーシスの素の代表的なβ2ミクログロブリンにしても副甲状腺機能亢進症の素のリンにしても、血液の中だけでなく組織(血管の中以外の部分)に多く含まれています。透析は血液中にあるこれらの物質を抜き取る治療ですが、これらの物質は組織から血液の方へ透析よりももっと遅い速度で出てくるために、同じ透析量でも標準の4時間でなく6~8時間とゆっくり時間をかけて透析した方が、体内全体でのこれら老廃物質をより多く抜き取れることが研究成果として報告されています。(短時間になるほど空回しだということです。)実際に長時間透析を行ってきた方でアミロイドーシスの症状を見せていない長期透析患者さんがおられます。前々回の号以来、最近は当院でも4時間でなく5時間透析を希望してくださる方が少しずつ増えてきました。