今日は薬の話―3:胃薬についてです。
透析患者様では胃粘膜が弱く軽い胃炎でも出血しやすいこと、胃潰瘍になりやすいこと、出血するともともと貧血があり造血力も低いため輸血を必要とする場合も多いことといった問題があり、また、動脈硬化症(脳梗塞や狭心症・シャント狭窄など)や不整脈のために血液をさらさらにする薬(抗血小板剤・ワーファリンなど)を飲んでいただいている場合も多く、こういった薬を飲んでいると血が止まりにくいという問題があります。このため、平素から胃薬をお勧めしています。
胃酸を抑える薬と胃粘膜を保護する薬があります。
胃酸を抑える薬には主にガスター10やそのの仲間で透析患者様では量を通常より減らして内服いただくものと、効果は同等かそれ以上で通常量で内服できるもの(オメプラゾン・タケプロン・パリエットなど)とがあります。血液をさらさらにする薬を内服していただいている場合は消化管出血の危険は高くなるのでこの胃酸抑制剤も内服していただいています。リン吸着剤の効果をやや下げてしまうという短所もありますが、カルタンを増やす必要はない程度のものなので心配には及びません。炭カルにも胃酸を抑える効果があります。
胃粘膜を守り強くするものは、たくさんあり、普段からちょっと飲んでおくと具合が良いと言われる方が多くおられます。市販の胃腸薬には体に蓄積して骨を悪くする物質(アルミニウムやマグネシウムなど)が入っている場合が多いので内服は避けてください。
また、胃癌の発症率が高く、小さな胃病変でも出血するので(しかも痛みなどの症状がなく突然強い貧血で発覚し緊急入院というケースも)誕生月健診の胃カメラはなるべくお受けになられるようお勧めします。もしも癌があっても早いうちなら問題なくさっさと治せますからご心配ありません。胃癌素因になるといわれるピロリ菌の感染がある場合、除菌は透析患者様むけの内服要領に基づき院内で行えますからご安心ください。